会長あいさつ

会長 鈴木 克司

 2024年4月1日より兵庫県耳鼻咽喉科医会会長に就任いたしました。本会は県内の診療所・公立及び公的病院・民間病院・大学病院で耳鼻咽喉科診療にあたる医師の集団です。耳鼻咽喉科で扱う領域は頭頸部領域、すなわち頸部(首)から上方で、脳、眼、歯を除いた広範囲にわたる領域に発生した耳・鼻・のどなどの良性疾患・悪性腫瘍や聴覚・嗅覚・味覚・平衡覚などの感覚機能の異常や精神的な訴えに至るまで非常に多岐にわたります。そのため正式には「耳鼻咽喉科・頭頸部外科」と言いますが、直ちに生命にかかわるような病態でなくても、生活の質を損なうような機能障害をできる限り良くすることを目指し、投薬や局所処置や手術以外に機能を高めるための指導や福祉制度利用のための助言を行っています。

 耳鼻咽喉科領域の症状がある場合にはまず診療所を受診いただき、高度な検査や入院・手術が必要と判断される場合には病院を紹介するいわゆる病診連携を円滑に行えるよう耳鼻咽喉科医師同士で絶えず情報交換・研鑽を行っております。 当医会は兵庫県医師会内の分科医会であり、地域で他の診療科目の医師とともに県民の皆様が世代を問わず健康な生活を営めるよう医師会内での連携を進めております。また、このホームページだけでなく新聞などのメディアや県民向け講演会などを通じてさまざまな情報を提供しております。さらに健康診断業務として診療所医師が中心となり乳幼児健診・学校健診にも携わり、将来を担うこどもたちの健康を守り、時間外診療を行うために医師会が運営する救急医療体制にも加わっています。耳鼻咽喉科を受診される場合は必要に応じてこのホームページ内の「医療機関のご案内」「休日救急センターのご案内」をご活用ください。

 本会は1954年に設立され、2024年で70周年を迎えました。現在500名前後の会員を擁するまでに発展し10の事業部を置いて耳鼻咽喉科診療の充実を目指し役員・委員が検討を重ねております。最近では3月を耳鼻咽喉科月間、7月を頭頸部外科月間と位置づけ、県民の皆様に当科を十分理解していただけるよう各地で講演会や無料健康相談会等を開催しています。総務省の2024年4月12日公表によると2023年10月1日の推計で我が国の人口は13年連続減少、外国人を含めても1億2435万2000人で前年より59万5000人減少しました。うち75歳以上人口は2007万8000人で71万3000人増、一方14歳以下は32万9000人減の1417万3000人となっており将来に暗い影を落としています。そのような中でわれわれ兵庫県耳鼻咽喉科医会は全世代の健康はもちろんのこと、若年が健やかに成長し高齢者が生活の質を落とさず暮らせる社会を築くために貢献してゆきたいと考えています。

令和6年5月9日